山荷葉 「作家の言葉」
お久しぶりです!ここのところバタバタしていましたが、ジョンヒョンの執筆本は届いたのでこれだけは少しずつ読んでいました。短いお話から訳を載せていこうと思います(※ と、思ったのですが著作権の問題もあるのでこれだけにしておきますね)。そして、またしばらくは忙しい日々が続きそうです・・・ミニュ誕お祝いできるかな・・・。12月中には何かしら書きたいな~と思ってます。今週のAGITのライビュは行く予定なんですけど、とても楽しみです!あとはSW神戸ぐらいかな!
前置きはこのぐらいにして。
ジョンヒョンが言いたいことはどんなことだろうか?と考え、伝わるように訳してみましたが、韓国語勉強中の身なので、稚拙な訳になります。参考程度にして下されば幸いです。(なので、転載などはお控えください。)ジョンヒョンはここでは作家さんですので、一人称は私で、少し堅い感じの文章にしてみました。
『山荷葉 -流れていった、放してあげたものたち-』
文・写真:キム・ジョンヒョン
作家の言葉
"私にとって音楽とは?"
多少飽きてみえるかもしれないこの質問は、ある時、私にとって大きな課題だった。
初めてベースギターを握ったのは中学校時代。
その時、私にとって音楽は楽しい遊びだったが、歌手を職業にしはじめた瞬間から、私にとって"音楽"という2文字はこの世で何よりも重くなっていった。
長い時間悩んだ間、"音楽の本当の意味も知らないまま今までしてきたのではないか"という考えに、自らを恥じて心が壊れていくような感情さえ押し寄せた。
"音楽の三要素 旋律、和声、拍子が基本になって・・・・・・。"
こんな堅い辞書的な意味より、私にとって音楽が何なのかを知りたかった。
疑問符を浮かべたまま随分長い時間を過ごして、用心深く、私は"音楽は物語"という答えを見つけた。
共感して、心が通じ合って、想像することができる物語。
どんな物語を歌っても、聴き手が話し手の物語に感情の動きを得るなら、それは良い音楽だという答えも共に得た。
そして、良い音楽から始まった共感と交感は、また音楽の最も素晴らしい力を導き出す。まさしく、想像力を爆発させる力。
"この歌が始まる前には、どんな物語があったのだろうか?"
"この歌が終わった後には、どんな物語が続くのか?"
音楽は始まりと終わりの境界線が曖昧だ。
だから、聴き手に多くのことを投げかける。想像させる。
それから、良い音楽を聴く時にこみ上げる感情であったり、この物語の主人公がまるで私のようであり、この歌がまるで私の世界のようだ。
私は良い音楽を作りたいという欲に溢れ、音楽を作りながら、いつも物語の前と後を想像した。
そして、それが習慣になった頃、この想像を繋げて一つの世界を作ればもっと面白いのではないだろうか、と思った。
始めと終わりが曖昧だった私の音楽を貫く一つの物語があったならば、もっと複雑な感情を導き出すことができるだろうし、
状況と人物が与えられたならば、もっとはっきりと絵描くことができるはず。
それならば、それもまた他の音楽を味わう方法になるのではないか、と思った。
その欲からこの本を書いた。
音楽の始まる前と終わった後の想像を聴き手に託すのではなく、作り手が伝えられるならば目新しいのではないだろうか、という軽い気持ちから。(そして、やがて滅茶苦茶な私の文章力に挫折した。)
想像力の帰属。
それをしてみたかった。
まさに、この本を読んだあなたが物語の間と間に紹介された曲たちを知っているならば、もう一度この曲たちを聴きながら本を読んでみて欲しい・・・・・・。
そして、以前とは異なった感情を感じることを願う。あるいは、前よりもっと深い感情の動きを感じることができることを願う。
たとえ、粗削りな文章だとしても、小説なのか、歌詞集なのか、エッセイなのか、ジャンルが曖昧なこの本が、彼と彼女、そして、私とあなたの物語になることができることを願って。